読書感想文: 「変な絵」 雨穴

雨穴さんが書いた「変な絵」を読みました。
雨穴さんといえば「変な家」が話題になりましたが、「変な家」は不思議な間取りからストーリーが展開され、「変な絵」は不思議な絵から展開していきます。
不思議な絵といっても、シュールな絵とか幻想的な絵というわけではなく一見普通の絵です。普通の絵なんだけれど、その絵が描かれた理由はなんだったのか? とか、どのような状況で描かれたのか? という点を登場人物たちが推理しながら真相に近づいていきます。

登場する絵はちゃんと挿絵として描かれているので、読者も実際の絵を見ながらあれこれ考えることができます。私も登場人物と共に考えながら読んでいました。まぁ全部ハズレましたが! でも謎を謎のままにせず、ちゃんと説明してくれるのでわかってもわからなくてもスッキリします。絵ごとに謎解きの方向性が違うので、今回はどんな感じなのかな? と興味を維持したまま読み続けることができました。
そんな感じで基本的には丁寧ですが、登場人物たちの感が良すぎる点はややあり、そこからその発想に飛べるか~? とツッコミながら読んだ部分はあります。話の展開の都合もあるのでしょうけどね。

ページ数は300ページ程度で、続きが気になる展開も相まってすぐ読めてしまいました。雨穴さんはホラー作家でもありますが本作はミステリー寄りで、絵の不気味さはあれど恐怖! って感じではないので、謎が謎を呼ぶ系のミステリーが好きな方はおすすめです。

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